札幌で家を建てるなら、いくら必要?

札幌のマンションはここ10年で、価格が1,000万円値上がりしたと言われています。
10年前に3,000万円だったマンションが、今は4,000万円出さないと買えない…
これは新築に限ったことでは無く、購入時は3,000万円程だった築15年の分譲マンションが4,000万円で売れるなど、中古マンションの価格逆転現象が起きる程。
土地やマンションが値上がりしている中、戸建て住宅の予算はどの程度必要なのでしょうか。

やっぱり戸建て住宅の価格も上がっている

結論から言うと、当然注文・建売住宅も値上がりしています。
土地もマンションも上がっているのに、住宅価格は変わっていないというほうがおかしな話なのですが。
上の図はフラット35利用者の所要資金額の推移、4年間で400万円も増加しています。
ではなぜ上昇しているのか、これも様々な要因があるのですが、実は悪い要因だけではありませんでした。

・人件費や材料費の上昇
近年では大工などの職人不足により、人件費が上昇を続けています。
職人不足は高齢化などの理由による減少、また若い世代も大工職につく人は少なくなっています。
そのため、工務店などでも専属の大工さんが足りず、外注になり人件費が上がってしまうという構図です。
ただ、個人的にはこういった大工さん、色々な現場を見てきているだけあって腕は確かな方が多いようです。
人件費以外の材料費も年々上昇しており、今年はウッドショックで木材が過去に無いほど高騰しています。

・技術の進歩によるコストの増加
耐震技術や断熱性能が上がり、長期優良住宅の基準を満たす住宅も増えてきました。
地域によっては補助金制度もあり、光熱費などランニングコストが抑えられるメリットも。
このように技術の進歩により、昔はかからなかったコストが増えている場合もあります。

・金利の低下
金利が低いんだから、払う金額は少なくなっているんじゃないの?と思うかもしれませんがそうではありません。
低金利のおかげで、毎月の支払額が同じでも借入可能な金額が大幅に増えました。
例えば月の支払いを10万円とした場合、10年前の金利2.5%(フラット35、旧団信)と現在の金利1.3%(フラット35、新機構団信)を比較すると…

・金利が2.5%の場合(35年ローン、元利均等返済)
月々10万円の支払いだと、借入可能額は2,797万円

・金利が1.3%の場合(35年ローン、元利均等返済)
月々10万円の支払いだと、借入可能額は3,372万円

同じ支払金額でも、金利が変わることによって借入可能額に575万円もの差額がでてしまうんです。
土地の価格も高騰している状況ですから、借入できるのなら少しでも予算を増やしたいという方も多いのではないでしょうか。
借入できる金額が増えたから予算を増やす、というのが良いことかは別として、様々な要因が重なり住宅価格は上昇しています。

住宅ローンは歴史的低金利

金利の低下、と簡単に説明してしまいましたが、実は歴史的な低金利が続いているんです。
2016年に導入された「マイナス金利政策」により、住宅ローンは過去最低水準の歴史的低金利時代に突入しました。
2021年10月現在、フラット35は1.3%(21年~35年、新機構団信込)、銀行の変動金利だとなんと0.3%台という数字も。
長期固定金利は2019~2020年頃が最低金利でしたが、若干上昇した現在も歴史的な低金利と言ってよいでしょう。
今後米国の長期金利は上昇の気配もあり、長期固定金利は少しずつ上昇するのではと予想されています。
一方で変動金利はマイナス金利政策がしばらく続く見通しのため、急激な上昇は無さそうです。

史上稀に見る低金利が続いているため、1~2割予算が増加しているとの見方もあります。
当然住宅価格だけではなく、土地の価格にも住宅ローンの低金利が影響しています。
特に土地は売りに出せば売れてしまう状況、買い逃すと次の機会がいつかはわかりません。
そんな状況ですから、買う側も100万200万くらいなら予算をオーバーしていても購入します。
それも以前より借入可能額が増えたため、借りられるなら予算を増やして買っちゃおう、という方が多いんです。
こんな状態だと、土地も値上がりを続けるわけですよね。

ローコスト住宅のススメ

近年では建物価格が1,000万円台前半からという、ローコスト住宅メーカーが増えています。
ローコストというと安かろう悪かろうなイメージを持つ方もいると思いますが、一概にそうとも限りません。
札幌では年間着工戸数ランキングでも、ローコスト住宅を販売している住宅会社が上位にランクインしているんです。
2020年注文・建売住宅着工戸数ランキングから、上位にランクインしているローコスト住宅をご紹介します。

COZY(ジョンソンホームズ)
2020年の住宅着工戸数ランキング1位に輝いた、ジョンソンホームズのCOZY(コーズィ)。
価格帯は1700万円~2100万円、30以上あるプランから自分に合ったプランを選べます。
住宅のテイストも4種類から選ぶことが出来るため、プランとの組み合わせは実に100通り以上。
大手住宅会社ならではの品質とアフターサービスで、安心して住むことが出来ます。
新築だけでは無くリノベーション部門もあるため、希望に沿った幅広い提案を期待できます。

チャレンジ999(豊栄建設)
こちらも着工数ランキングで毎年上位に入っている、豊栄建設のチャレンジ999。
ベースプランを元にカスタマイズが可能なため、注文住宅のような自由度の高さが人気です。
価格も高断熱、高耐震の確かな品質で、1000万円台から建築が可能。
RICCO STYLEという別ブランドもあり、そちらは土地代込で月々6.3万円から住める一戸建てという触れ込み。
豊栄建設は土地探しにも強く、札幌全域で自社土地の案内も行ってもらえます。

匠建コーポレーション
全室床暖房、住宅用制震ユニット「MIRAIE」、自由設計とローコストとは思えない内容の匠建コーポレーション。
この内容で、まさかの28坪1,300万円から建築が可能です。
住宅設備も非常に多くの標準仕様が用意されており、その中から自分の好きな物を選べる仕様。
こちらも自社土地や建売物件を多く販売しており、土地探しを含めて相談が可能です。
全室床暖房が標準仕様というのは、北海道では嬉しいですね。

※ウッドショックなどの影響で、実際はサイト上の表記価格と異なる場合があります。

大手のハウスメーカーが名前を連ねる着工戸数ランキングで、上位に入るこの3社。
コストを抑えるだけでは無く、その中でもきちんとした住宅性能が地元の人々から支持されている結果では無いでしょうか。

札幌で家を建てるなら○○○○万円?

土地も建物も値上がりしている中でも、上記のようにコストを抑えた家作りはまだまだ可能。
とはいえ1,000万円台の家作りも、やはり価格は上がっています。
例えばCOZY、同じ28坪で比較すると2年程前に1,600万円だったプランが、今では1,730万円。
当然ウッドショックの影響もあるのですが、年々価格は上昇している会社が多いです。

5~10年前は土地建物含めて3,000万円が最低ラインと言われていた注文住宅。
今では3,500万円でも厳しく、4,000万円が最低ラインに近づいています。
建物を2,000万円に収めても、少し良い立地の土地を選ぶと1,500万円。
そこに諸費用などを考えると、やはり4,000万円弱の予算が必要になってきます。
当然家のコストを抑える、郊外の土地を選ぶなど3,000万円台前半での家作りも可能です。
ただ、もしも土地探しから初めて注文住宅を建てようとしているならば、4,000万円が一つの目安になります。

ウッドショックや土地の値上がりなど、ここ数年で家作りに必要な予算は大きく上昇してしまいました。
比較的ローコストで建てられる住宅会社の着工数が増えていることからも、低予算の家作りを考える方が増えているのでしょう。
少しでも家作りに興味を持っている方は、出来るだけ早く、出来るだけ多くの住宅会社を見て回ることをオススメします。
無理して希望に合った家を建てても、生活が豊かになるとは限りません。
自分の生活が豊かになるよう、予算に合わせた提案をしてくれる住宅会社探しには時間がかかります。
もし予算でお悩みの方は、比較的ローコストで建てられる住宅も検討してみてはいかがでしょうか。

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